「損切りするか…」諦める前に読んでください

テクニカル分析
  • 含み損に耐えられなくなってきた…そろそろ損切りをしないといけないけど、できるだけ損失が小さいタイミングで決済したい。
  • そもそも、どのタイミングで損切りを判断するべきだったの?

そんな2つのお悩みにお答えします。

いま思えば、
「あのタイミングで損切りしておくべきだったな…」
と後悔していますが、損切りになってしまったものは仕方ないです。

みなさんにも同じ失敗を犯してほしくないので、ぜひ最後まで読んでください。

FXトレーダーが損切りを決意する「2つのタイミング」

FXトレーダーが損切りする決意するタイミングは、次の2つ

  1. 損失に耐えられなくなって、たまらず損切りするとき
  2. 戦略的に損切りをするとき

①損失に耐えられなくなって、たまらず損切りするとき

これはあまり良くない損切りですね。

「あぁ、もうこんなに含み損になってしまった…これ以上は無理…」
ってな感じで、レートが戻ることを祈っていたけど、その夢がはかなく散ったときに泣く泣く損切りするパターンです。
かなりの致命傷になっているはずなので、損失を取り戻すまでに時間がかかります。

「なんであの時に損切りしなかったんだろう…」
と後悔しか残らないので、メンタル的にも最悪ですね。
いちばんやっちゃいけない損切りです。

②戦略的に損切りするとき

「ここまで逆行したから、もう勝てる見込みは無いな。損切りして切りかえよう」
ってな感じで、自分の負けをいさぎよく認めて、すっぱり切るパターンです。

自信をもって損切りしているので、後悔も残りませんし、なにより次のトレードにつなげることができます。
損失も限定できているので、次のトレードで取り返せる確率が高いですね。

戦略的に損切りすると

  • 自分の戦略が間違っていたと気づける
  • トレード戦略を練り直せる
  • 目線の固定を防げる

のように、メリットがたくさんあります。

FXは長期的にみてプラスになれば良い

1回負けても、次のトレードで取り返せるのであればOKと考えるべきかと。
だとすれば、1回の負けトレードでの損失は、次のトレードで取り返せる範囲に抑えないといけません。

FXに勝率100%はないので、1回の負けが致命傷になるのは論外です。
逆に、10回負けても1回の勝ちで取り返せるようにトレード戦略を組み立てるのがトータルプラスになるコツかと。
なので、損切りタイミングを逃さないようにしないといけないですね。

損切りは「準備」と「タイミング」が大切

「早めの損切りを!」
とはいっても、チャートを見ていなかったりして逃げ遅れることはあります。

もしそうなってしまった場合でも、焦ってはいけません。
損切りする”準備”をして、そのあとに執行する”タイミング”をとります。

具体的に、次の3つを”冷静に”行いましょう。

  1. 損切り前の「環境認識」
  2. 「損切り」するか「ナンピン」するかの判断
  3. 値動きの観察

1つずつ、詳しく解説していきます。

①損切り前の「環境認識」をしましょう

「損切りしたあとに、レートが戻ってきた!切らずに我慢すればよかった!」
なんて経験はありませんか?
そうならないためにも、エントリーと同じように、損切り前にも「環境認識」をやりましょう。

例えば、5分足でエントリーしたショートポジションが踏みあげられているとしましょう。
そのような場面では、次のことを考えます。

・1時間足で下降トレンドになっていないか?(もしくは下降トレンドになりそうか?)
・意識されているレジスタンスラインが、すぐ上にないか?
・オシレーターは上限いっぱいになっていないか?
などなど、レートが戻ってくる可能性がないかを探します。
何かしらの根拠があれば、レートが戻ってくる可能性がありますので、いったん損切りは保留にします。

助かる見込みがなければ、きっぱり諦める。でも…

逆に、ショートが捕まってしまった場合に

・レートが下がってくる根拠が見つからない
・下がってきそうだけど、4時間足や日足レベルで耐えないといけない
・大底で掴んでしまった
のであれば、迷わず損切りしましょう。

4時間足や日足で目線があっているのであれば耐えてもいいと思います。
でも、レートが戻ってくるまでに相当な時間がかかりますので、いったん損切りしてからエントリーし直すほうが精神的にも負担が少ないかと。

そのあたりは、次に解説する「ナンピン」にもつながりますが、

・ロット
・証拠金維持率
と相談になってきます。

②「損切り」するか「ナンピン」するかの判断

±0で逃げたい気持ちはありますよね。そんな時は「ナンピン」を検討しましょう。
世の中にあるFX教材の9割で

「ナンピンはダメ、ゼッタイ」
なんて書かれていますが、そんなことないですよ。

「ナンピン」するべき場面

例えば次のような場面。

トレンドフォローで5分足をみてエントリーしたけど、レートが逆行してしまったケースです。
①で説明した”環境認識”をした結果、1時間足では絶賛下降トレンド中だと判明しました。

ユーロドル1時間足
かつ、何度も跳ね返されているレジスタンスラインがあるので、トレンドが継続する根拠が十分そろっています。

こんな時には「ナンピン」しちゃいましょう。
結果的に、1時間足レベルで『分割エントリー』したことと同じになります。

建値まで戻ってくる確率は高いですし、ナンピンした分は利益になります。
±0で逃げるにしても、約半分の時間で±0にすることができます。

※ナンピンについては、別記事を用意します!

「損切り」するべき場面

逆に、損切りするべきなのは上位足のトレンドに逆らっているケース。
「トレンドは明確に終了サインがでるまで継続します」
ダウ理論の基本的な部分です。

例えば次のケース

5分足レベルでダブルトップ形成を狙って、ショートエントリーしたけど、踏み上げられてしまった!

で、環境認識した結果、1時間足は絶賛上昇トレンドでした。

こんなときには、迷わず損切りしましょう。
レートが建値まで戻ってくる見込みは薄いですし、なによりトレンドに逆行している形になるので、含み損が増えるだけですね。

ちなみに、

・買い下がり
・売り上がり
はジリ貧になってしまうだけなので、避けるべきかと。

「上位足のトレンドに巻き込まれてしまった!」
ってときは、迷わず損切りしましょう。

「ドテン」も考えてみる

損切りになってしまったら、「ドテン」も考えてみます。
今回のケースでドテンした場合、上位足のトレンドに乗せることになるので、損切りになった分は簡単に取り返せます。

むしろ、2倍3倍になって返ってきますので、

「あー、損切りになってしまったー…」
で終わるのではなく、ドテンできないかを考えてみてください。
もちろん、ドテンする前に「環境認識」はきっちりやってくださいね。

③値動きを観察して、タイミングをとる

環境認識をして、ナンピンもできなければ、あとは「損切り」をします。
でもここで大切なのは、「焦って損切りしない」こと。

なるべく損失が少なくなるタイミングまで待ちます。

5分足でエントリーしたのであれば、5分足レベルでレートが一時的に戻ってきたら損切りしましょう。
オシレーターが端によっている時や、ロウソク足の伸びが悪いときはレートが戻ってくる可能性があります。
たった数pipsの違いですが、その数pipsが積み重なると数100pipsになります。
トータルプラスの成績を残すためにも、なるべく損失が少なくなってから損切りしましょう。

ちなみに、レンジブレイク等でもうレートが戻ってくる可能性が薄くなった場合は、1秒でも早く損切りしてください。
戻ってくるまで待つのは、時間と精神力を削がれるだけです。
いさぎよく諦めるのが吉。

あなたにとっての『ベストな損切りタイミング』とは?

人によってトレードスタイルや手法が違うので、「ズバリこれです!」っていう損切りタイミングはありません。
が、共通して言えるのは、

「損切りは早いに越したことはない」

です。

損切りの目的は「損失をなるべく小さくする」こと
けっこうこの目的を忘れてしまっている人が多いんですよね。

「何のために損切りをするのか?」
を今一度考えてみましょう。

基本的なことですが
『 損切り = お金が減る 』
です。
お金が減るのは確定しているので、なるべく損失が小さくするのが、損切りの本来の目的だと思います。

本とかだと、「自分のお金を守るために、損切りする」って書いてありますね。
矛盾しているように聞こえるのが、損切り本来の目的を忘れてしまう要因になっているのかと。

損切りする根拠を明確にしましょう

気分で損切りする人はさすがにいないと思いますが、損切りにもなにかしらの根拠があると1つの目安になります。

エントリー根拠が崩れた
目安としているpips逆行した
含み損が資金全体の5%を超えたから損切りした
などなど。

ぶっちゃけ、損切り根拠はなんでもいいと思いますが、

「ここを超えたら、地球がひっくり返っても損切りする!!」
っていう『最終防衛ライン』は必ず設定しましょう。
『最終防衛ライン』の設定例
「この水平線を超えたら、何が何でも損切りする!」
「逆行は100pipsまで!それ以上は許さない!」
「含み損が資金全体の10%になったら問答無用で損切りする!」
ってな感じです。

で、その時に使うのが「逆指値」です。
『最終防衛ライン』に ”逆指値” を設定することで、少なくとも致命傷になることは避けられるかと。

逆指値をズラすトレーダーもいますが、簡単に引っかかるようなラインに逆指値を設定しているから、少し逆行しただけで慌てて逆指値をズラしてしまうのだと思います。
この記事で解説した「損切りタイミング」は、成行で執行する前提になりますので、逆指値はあくまで『最終防衛ライン』としての使い方をおすすめします。

損切りタイミングよりも重要なこと

損切りになって嬉しい人はいないはず。
できれば損切りはしなくないですが、FXに勝率100%の聖杯がない以上は、いずれどこかで損切りが発生することを覚えておきましょう。

含み損をズルズル引っ張らないこと
含み損のポジションをズルズルと引っ張らないことが大切です。
どうしようもなくなった含み損のポジションは、将棋の「捨て駒」のように、さっさと切るべき

結局なにが言いたいかというと、

損切りを恐れるな!

です。

それが、損切りタイミングよりも重要で、FXで勝ち続けるための唯一の方法だと思います。

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